現在、世界中には合計で4300~4600種類の哺乳類が存在していると考えられていますが、
にわかには信じがたいことですが、
私たち人間も、ライオンも、
ゾウもキリンもネズミも…
もともとは、みな同じ先祖から分化して進化してきました。
では、その哺乳類の先祖、すなわち最古の哺乳類の起源はいつごろのことだったのかというと、
これまでに確認されている最古の哺乳類の化石は、今から2億2500万年ほど前のものであり、
この頃に、我々哺乳類の起源となる動物が誕生したと考えられています。
ちなみに「哺乳類」とは、
「子供を母乳で育てる生物」のことであり、
確かに、全ての哺乳類は姿かたちは違えど、子供を母乳で育てるため、それらが古くは同じ動物から分化していったのだということがわかります。
では、我々哺乳類の先祖は、果たしてどのような過程を経て誕生したのでしょうか?
今回の記事では、哺乳類の起源と、その先祖と「爬虫類」の関連について解説します。
哺乳類の起源について解説!その先祖はどんな姿をしていたのか?
それでは、我々「哺乳類」は一体どのようにして誕生したのか、ということについて詳しく解説します。
まず、この地球は今から約46億年ほど前に誕生しましたが、
それから約8億年の歳月を経て、
今から約38億年ほど前に、海の中で地球史上初となる生命が誕生したと考えられています。
その後、それらは海の中で多細胞性を獲得し、
様々な生物へと分化と進化を繰り返した結果、
今から約3億6000万年ほど前に、
ついに、陸上への進出を遂げることになる
「両生類」が誕生しました。
カエルなどの両生類は、このころの両生類が両生類のまま進化してきた子孫です。
しかし、このころの両生類はやはりその生活の拠点は水辺にありましたが
その後、今から約3億1200万年前に
「有羊膜類」というものが両性類の中から誕生し、
さらに、その有羊膜類の中で、陸上での生活に適応したものの中から、
「単弓類」という分類の生物が誕生しました。
ちなみに、有羊膜類はこの「単弓類」と、
もう1つの大グループである「竜弓類」という2つのグループに分かれていくことになります。
今日紹介する生物は「ディメトロドン」です! ディメトロドンは古生代ペルム紀に生きていた単弓類という動物の一種です。背中の大きな帆は、体温調節に役立っていたと考えられています。また、その鋭い歯でほかの動物をおそって食べていたようです。 pic.twitter.com/vXzjvEXwq0
— 岩手県立博物館 (@Iwahaku) 2016年7月22日
単弓類として知られる「ディメトロドン」は背中に大きな帆を持ち、まるでイグアナのような爬虫類のようにも思える姿をしています。このころは、まだ現存の哺乳類の先祖とは思えない姿をしていますね。
そしてその後、その単弓類から、
今から約3億1000万年ほど前に
「盤竜類」という分類の動物が生まれ、
その盤竜類の中から、今から2億7000万年ほど前に
「獣弓類」という分類の動物が生まれます。
獣弓類は盤竜類から枝分かれするように生まれた分類でしたが、その後もともとの盤竜類の系統は絶滅し、それに替わるようにして、獣弓類が繁栄していきました。
獣弓類の中では「エレクサレトドン」などが知られていますが、その姿は非常に異様で、今の肉食哺乳類と爬虫類を合わせたような姿をしています。
エクサエレトドン気持ち悪いにもほどがある。 pic.twitter.com/QbwwiOZbHD
— maruno (@haru_pic_ani) 2016年7月6日
ただ、その姿は徐々に哺乳類に近づきつつありますが、
その獣弓類の中から、今から約2億2500万年ほど前に
ついに「哺乳類」が誕生しました。
ちなみに、現在確認されている中で最古の哺乳類は、今でいうネズミのような姿をしていた
「アデロバシレウス」という動物で、
この化石が2億2500万年前の地層から発見されています。
アデロバシレウスの予想図です pic.twitter.com/o1GVpfSlBJ
— 砂 (@k_tsukumoya) 2016年12月19日
ちなみに、哺乳類が誕生した頃の地球は今よりも非常に酸素濃度が低く、
哺乳類が持つ呼吸システムである横隔膜を利用した呼吸は、あまり低酸素環境に適したものではなかったため、
この時代の哺乳類は、その酸素濃度の影響をできるだけ少なくするために小型化し、
総じてネズミからネコくらいの大きさしかなかったといわれています。
ちなみに、現代の酸素濃度は約21%ですが
哺乳類誕生初期は、大気中の酸素濃度はわずか12%程度しかありませんでした。
哺乳類の先祖と爬虫類の関係
先ほど「有羊膜類」から生まれた「単弓類」は、
なんとなくイグアナのような「爬虫類」に似ているという話をしましたよね?
そして、実は以前はその単弓類は爬虫類の中から誕生したと考えられており、
実際に学校の教科書にもそう記載されていました。
しかし、現在ではこれはおそらく誤りであるということが分かっており、
「爬虫類」は
有羊膜類が「単弓類」と「竜弓類」とに分かれた後に、
その「竜弓類」の方から誕生したと考えられています。
ちなみに「竜弓類」はその後「鳥類」や「恐竜」を生み出すことになるグループです。
一方「単弓類」で現存している子孫は、我々「哺乳類」だけです。
なので、我々哺乳類は、爬虫類とは「有羊膜類」という共通の祖先をもっているというつながりしかなく、
哺乳類と爬虫類の先祖は、今から約3億年ほど前に分化をしたということになります。
ただ、単弓類が今の爬虫類のようだと感じるのは、まさに誕生して間もない有羊膜類が今の爬虫類のような姿をしていて、
その姿をほとんど変えずに進化をしてきたものが、現生の爬虫類であるからなのかもしれません。
まとめ
今回の記事では、哺乳類の起源と、その先祖と爬虫類の関係などについて解説しました。
ちなみに、現時点では地上を支配しているのは我々人間を含む哺乳類ですが、今から6550万年前までは、この地球上を支配していたのはあの「ティラノサウルス」を含む大型の恐竜たちでした。
しかし、彼らは直径10kmの隕石の直撃による衝撃波と、それに伴う気候変動の影響によりその多くが絶滅し、
その空いた席を埋めるように、それまで恐竜たちから隠れるように暮らしていた哺乳類の祖先が爆発的な分化と進化を遂げたのです。
ちなみに、直径10kmの隕石の衝突によって起こる衝撃計り知れませんが、
例えば直径わずか20mの隕石でさえ、その衝撃は広島に落とされた原爆の20倍以上になると想定されています。
それよりはるかに大きな隕石が、時速6万4000kmというすさまじい速度で地球に衝突したので、近くにいた恐竜たちは何が起きたのかもわからずに一瞬で死んでしまったようです。
ちなみに、地球の歴史上このクラスの隕石が衝突したのはこの時が初めてではなく、30億年以上前にはそれよりもっと大きな隕石が衝突していたであろうことが分かっていますが、
今後またそのような隕石が落ちた時、人類は果たして生き残ることができるのでしょうか?
そのうちの一部は宇宙へと逃げることに成功しているかもしれませんが、増えすぎた人類の大半は、もしかすると隕石の接近によって暗くなっていく空を見つめながら死んでしまうのかもしれません。
ちなみに、直径20mのような小型の隕石は、今の観測技術をもってしてもその存在は落ちるまで確認することはできませんので、そのクラスの隕石であれば、いつでも地球に落ちてくる可能性があります。
なので、もしもこの先そのような隕石が空から落ちてくるのを発見したら、是非一目散に逃げてください。もしそれが至近距離に落ちたら、間違いなく死んでしまいますので…(・_・;)!
ちなみに、2013年の2月には、ロシアに直径17mの隕石が落ちてきましたが、これは上空数十kmのところで爆発し、砕けたために、その衝撃は最小限で済みました。
しかし、その破片が落ちただけでも、その周囲の建物の窓ガラスが割れるほどの衝撃になったため、もしこの隕石が爆発せずに地上に落ちていたら、過去に例のない大災害になっていた可能性があります。
家の中でテレビを見てくつろいでいるときに、隕石が落ちてくる可能性は0%ではないということですね(^-^;
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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