水星は、太陽系に属する8つの惑星のうち、最も太陽に近い場所をまわっている惑星です。
半径、質量ともに惑星中最小で、重力は地球の3分の1程度しかありません。
しかしながら、太陽に近い分、その太陽から得るエネルギー量は地球に降り注ぐ量の6.7倍にもなり、
その表面の平均温度は180℃にもなるため、まさに灼熱の惑星です。
しかし、過去にこの水星の調査に向かったメッセンジャーという探査機は、ある驚くべき事実を突き止めました。
なんと、そんな灼熱の水星にさえ、
「氷」が存在しているというのです。
普通なら、氷などみるみる内に溶けて、蒸発してしまいそうなものですが、
果たしてなぜ氷が存在できるのでしょうか?
なぜ水星に氷が?蒸発しない理由を解説!
水星は、表面の平均温度が180℃なのであって、場所によっては400℃以上にもなる所もあります。
そのため、もしそんなところに氷をおけば、
氷は液体になる間もなく蒸発し(昇華)、気体となってどこかに消えてしまいそうなものですよね。
では、なぜ水星には氷が存在できるのかというと、
最高温度が400℃以上の場所があるのに、全体としての平均温度が180℃ということは、
実は水星にも、氷が存在できるような極寒の地となる場所があるということです。
その場所というのが、水星の極地付近、
地球でいえば、北極や南極のような場所です。
水星の極地付近は、日が当たりづらいため、急激な気温上昇が起こることもなく、
さらに、その極地付近のクレーターの底には、絶対に日が当たらない
「永久影」となる場所があり、
この永久影となる場所の気温がとてつもなく寒いのです。(マイナス170℃以下)
そのため、その水星の氷は、まさにその永久影となる場所に存在しています。
水星にクレーターが沢山残っている理由
地球にとって、月という天体は非常になじみ深いものですが、
この月と水星はその見た目が非常によく似ています。
さらに、この水星と月は、
その表面に無数のクレーターが残っている
というところも非常によく似ているんです。
しかし地球には、その表面全体に、目立つようなクレーターはそれほど存在していませんよね?
地球が誕生したのが46億年ほど前なので、それだけ時間があればもっとぼこぼこの星になっていてもおかしくありませんが、いったいこれはなぜなのでしょうか?
ただ、ここで察しが良い方はすぐに答えが分かると思いますが、
地球には、地球の表面積の7割を占め、流動的に流れる海が存在し、
さらに、豊富な大気が存在するため、
その浸食、風化などによる影響から、
地球のクレーターは、年月が経つと徐々に消えていってしまうのです。
実際、今から6550万年前には、現在のメキシコユカタン半島に直径10kmにもなる巨大隕石が衝突し、
その影響から、恐竜の大半はそこで絶滅することとなったと考えられているのですが、
この場所から、直径180kmにもなる巨大クレーターが見つかったことによって、その定説が裏付けられることになったものの、
上空から見た限りでは、そこにクレーターがあるかどうかということはほとんどわからないのです。
直径12kmの隕石が72000km/hの速さでユカタン半島に落ちて180km(四国くらい)のクレーターができたらしい。水爆200万発分のエネルギーで全地球を揺るがし直径1200kmは熱と爆風で焼け野原となり衝突でえぐられた無数の岩盤は宇宙空間まで吹き飛ばされたのち再び灼熱の隕石となって降り注いだと pic.twitter.com/sY5vxPpBoQ
— Takk❄︎ (@timbre_) 2018年3月15日
一方「水星」は?というと、
水星には、もちろん流動的に流れる水は存在していませんし、
重力が弱いため、大気を星の周りに引き付けておくことが出来ず、
その表面上はほとんど真空といっても過言ではありません。
そのため、風が吹くこともなく、クレーターも長い間消えずに残っているのです。
まとめ
今回の記事では、灼熱の惑星「水星」にある氷はなぜ蒸発しないのかということについて解説しました。
ちなみに、隕石は秒速数十kmというものすごいスピードで地表にたたきつけられるため、
直径10mほどの隕石であっても、広島に投下された原爆の何十倍ものエネルギーを持っています。
しかも、その程度の大きさの隕石は、宇宙に無数に存在しているため、実はいつ落ちてくるのかというのはわからないことの方が多いのです。
例え石ころサイズの隕石でも、地面に大穴が開くくらいの威力がありますので、皆さん頭上には気を付けましょう(^-^;笑
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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