金星は地球のお隣にある惑星ですが、
あまり意識したこともなく、この金星がどのような星なのかということについてご存知ない方も多いでしょう。
金星は、地球から見ると
太陽、月に次いで3番目に明るく見える星として知られており、
「宵の明星」「明けの明星」と呼ばれる星は、まさにこの金星のことを言います。
ただ、もっと詳しいところ、
その、金星の表面の明るさ、温度、色といった部分が気になる方も多いと思いますので、
今回の記事では、その金星の地表の特徴について詳しくまとめていきたいと思います。
金星の地表の色について
太陽は、計8つの惑星を従えており、
その内、我々が住んでいる地球は、太陽から数えて3番目に位置する惑星であるということは皆さんご存知でしょう。
それよりさらに内側に存在するのが、水星と金星です。
このうち、実は水星にはいまだ探査機が降り立ったことすらなく、謎多き星として知られています。
水星は、そこに近づくほど太陽の重力の影響を強く受けてしまい、
しかも、水星表面にはほとんど大気が存在していないため、
パラシュートなどを使った探査機の降下を行うことができないのです。
一方、金星にはこれまでに何度も探査機が送り込まれており、中にはその地表の撮影に成功したものもあります。
金星探査で有名なのは、
ソビエトによる「ベネラ計画」というもので、
1960年代~1980年代にかけて、計16台の探査機が金星へと向かいました。
そして、その探査機によって撮影された写真には、
見事、その地表の様子が映し出されています。
以下の動画には、その静止画像がまとめられています。
これを見る限り、金星の表面は特にこれといって特別な色をしているというわけでもありません。
全体としては、灰色か、少し黄色がかった色に見えることでしょう。
ただ全体として、色がどうかということよりも、
もし皆さんが金星になった場合に気になるのは、思ったより暗いな…ということでしょう。
というのも、実は金星の地表に届く光は、
地球の地表に届く光の10分の1程度に過ぎないのです。
金星の地表の明るさについて
通常であれば、金星は地球よりもより太陽に近い場所にありますので、
例えば、もし今我々の地球が金星のあるところまで移動すれば、
そこから見える太陽は、今以上に明るく輝いて見えることでしょう。
しかし、もし皆さんが金星の地表に立った場合、
そこから見える太陽の明るさは、決してまぶしいと感じるほどではありません。
これはなぜかというと、
まず、この記事の冒頭で、金星は太陽、月に次いで地球から3番目に明るく見える星であると説明しましたが、
これはつまり、金星はそれだけ太陽の光を反射しているということを意味しています。
実際、金星にあたる太陽光の約8割近くを、金星は反射してしまうのです。
しかしこれは、金星の地表が光を反射しているわけではなく、
金星の上空50kmよりも外側にある、濃硫酸でできた雲が光を反射しています。
すると、その金星は太陽光のほとんどを反射してしまいますので、
雲の中に実際に光として差し込む光量は、決して多くないのです。
そのため、結果地表まで届く光の量は少なく、その表面の明るさは薄暗く感じることでしょう。
金星の地表の温度について
しかし、ここがまた金星の面白いところでもあるのですが、
金星は、その地表に届く光の量は、地球の地表に届く光の量の10分の1程度であるにも関わらず、
その地表の温度はとてつもなく高く、平均して460℃以上にもなり、500℃にもなるような場所もあります。
ちなみにこれは、金星よりもさらに太陽に近い場所にある、水星の平均表面温度を軽々と超えます。
例えば、もし今地球に降り注いでいる光の量が、その10分の1になったとしたら、
地球の温度はみるみるうちに冷えてしまい、生物の大半は絶滅してしまうことでしょう。
しかし、金星でそうはならないのは、
実は金星の地表には、とてつもない量の二酸化炭素が存在しており、
その地表の気圧は、なんと90気圧にもなります。
これは、地球の地表で感じる気圧の90倍であり、
90気圧は、地球だと水深900mで感じる圧力に匹敵します。
そのため、実は人間が生身で金星の地表に立つということは、実際は不可能なことなのです。
そして、重要なのはその二酸化炭素が豊富に存在しているということであり、
これが、熱をとらえて離さない「温室効果」を発揮するため、金星は非常に熱がこもりやすい星なのです。
なのでとてもじゃありませんが、金星の地表は人類が住めるような場所ではありません。
まとめ
今回の記事では、金星の地表について、その色、明るさ、温度などについて解説しました。
金星は、地球よりも太陽に近い場所にあるため、なんとなく暑そうと思う方は多いと思いますが、
それは、決して太陽に近いからというわけではなく、その二酸化炭素による温室効果のためなのです。
金星の大気の組成は非常に極端で、
その内の約96.5%が二酸化炭素で、残りの約3.5%が窒素で、それでほぼ100%となっています。
その他に、本当にごく少量の別の成分が含まれています。
ちなみに、その大気層よりもさらに外側を、液体や固体として存在する成分が雲として覆っています。
そして、その雲は主に濃硫酸でできているのです。
だからこそ、この金星の地表に探査機が到着するというのが、いかに難しいかということがよくわかりますよね。
そのため、ベネラ計画の中でも、地表についた途端に連絡が取れなくなってしまった探査機もあります。
温度が500℃近くになり、水深900mに相当する圧力を常に受け続けるわけですから、無理もないでしょう。
金星もまだまだ謎多き星ですので、これからの探査技術の向上によってどのような事実が明らかにされていくのか、楽しみに待ちましょう!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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