【解説】火星のテラフォーミングの方法と問題点について

地球の周りには、月をはじめとするいくつかの天体が存在していますが、

現実的な話として、

人類にとって最も移住に適した星といえば、

それは、地球の隣の惑星である

火星」です。

この火星には、かつて豊富な水と大気があったと考えられているのですが、

現在では、その大気はほとんどなくなってしまいました。

また、水は地中へと消え、そこで個体や液体として存在していると考えられています。

ただ、水があるというのは非常に喜ばしいことで、これは活用が可能と考えられているのですが、

問題は、その大気をどうするかというところにあります。

そして、他の天体を地球のような星に作り替えることを

テラフォーミング」と言いますが、

果たして、この大気の問題をクリアし、火星をテラフォーミングすることは実際可能なことなのか、

今回の記事では、その方法と問題点について詳しくまとめていきたいと思います。

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目次

火星のテラフォーミングの問題点について

火星をテラフォーミングするうえで、問題点はいくつかあるのですが、

その最大の問題点と言えるのが、その大気の少なさです。

火星には、確かに大気は存在しているのですが、

その地表で感じる大気圧は、地球の100分の1以下です。

つまり、それだけ大気がないということです。

そのため、火星は十分な温室効果を得ることが出来ず、

その地表の平均温度は、マイナス60℃と非常に低い温度となっています。

地球に比べて、火星は確かに太陽から遠い場所にありますが、

それでも、赤道付近派では20℃程度にまで温度が上昇するところもあるため、

もし大気が豊富に存在していれば、地球と似たような気候になっていたはずでした。

では、なぜ火星の大気はなくなってしまったのかというと、

これは、主にその火星の「重力の弱さ」が関係しています。

簡単に説明すると、

火星は地球に比べて3分の1の重力しかないため、

かつて豊富にあった大気をとらえておくことが出来ず、

40億年以上の時をかけて、どんどん大気が宇宙空間へと逃げだしてしまったのです。

そのため、本当の意味で火星をテラフォーミングするためには、その大気をなんとか用意しなければなりません。

火星をテラフォーミングする方法とは?

火星には、気体としての大気は非常に少ないのですが、

その寒さの影響もあり、気体にすれば温室効果を発揮するような成分が、固体として眠っていることが分かっています。

例えば、二酸化炭素の塊である「ドライアイス」などです。

そのため過去には、火星で核兵器を爆発させ、

それによって固体を気体へと変え、火星に温室効果を与えるという方法が報じられたこともあったのですが、

NASAの調査によると、火星に資源として眠る物質をすべて気体に変えたとしても、

それは、地球のような惑星にするために必要な大気の量の約7%にしかならないことが分かっており、

結局、火星にある資源を利用して温室効果を生み、火星をテラフォーミングすることは、方法として不可能であるといわれています。

では、火星をテラフォーミングすること自体が不可能なのかというと、

これは現在の技術では困難ですが、方法自体はないわけではありません。

例えば、その有力な方法として挙げられているのが、

火星に温室効果ガスを排出する工場を作り、どんどん排出させて大気量を増やす方法です。

地球で同じことをすれば、地球温暖化を促進させる大問題になってしまいますが、

火星には大気がありませんので、逆に大気を増やすことが必要なのです。

そして、その有力な候補として挙げられているものが、

PFC:ペルフルオロカーボン」という成分で、

これを排出する工場を作れば、100年近くでカナダに近い気候に近づけることも可能といわれています。

しかし、火星にそれだけ大規模な工場を作るということがまず難しいことですので、

これが実現するとしても、それは何百年もあとのことになるでしょう。

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火星移住計画について

火星をテラフォーミングすることは中々難しいということが分かっていただけたかと思いますが、

火星に人類を着陸させ、そこで居住地を作る計画については、現在真剣にそのための準備が進められています。

火星移住計画の実現を目指しているのは、

  • オランダの民間非営利組織「マーズワン」
  • アメリカの宇宙関連開発企業「スペースX」

の主に2つの団体で、

それに加え、あの月面着陸を世界で初めて成功させたNASAも、火星への初の有人着陸を目指す意向を明らかにしています。

これは、早ければ2020年代に実現するのですが、

遅くとも、2030年代には、上記のどれかの団体がその計画を実行に移す見通しとなっています。

まとめ

今回の記事では、火星をテラフォーミングする上での問題点と、その方法について詳しくまとめました。

ちなみに火星は、最も地球に接近したときでさえ、地球から月までの距離の100倍以上もの距離があります。

片道だけで数か月かかりますので、実際、火星に行くのは本当に大変なことです。

ですので、火星に工場を建設するというのは非常に難しいことで、費用もかかりますから、

本当の意味で火星を地球のような星にテラフォーミングするとすれば、やはりそれは何百年も先のことになるでしょう。

ただ、そのテラフォーミングが現実味を帯びるかどうかというのは、

やはり人類が、火星に無事着陸できるかどうかにかかっているともいえます。

そう遠くない未来に、人類はついに火星に着陸する予定となっていますので、皆さん是非その日を楽しみに待ちましょう!

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

こちらの記事はいかがですか?⇒【解説】金星に海や水は存在するの?

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