私たちはついつい自分たちが特別な存在だと思ってしまいますが、
私たち「人間」も、数いる動物の中の一種でしかありません。
私たちは、哺乳鋼⇒霊長目⇒ヒト科⇒ヒト属に分類される、
「ホモ・サピエンス」という種の動物であり、
さらに、その中には
- ホモ・サピエンス・サピエンス
- ホモ・サピエンス・イルダトゥ
という2つの亜種がいたのですが、
このうち、
ホモ・サピエンス・イルダトゥは、既に絶滅してしまったことが判明しているため、
現生に生きている人間は、すべて
「ホモ・サピエンス・サピエンス」
である、ということになります。
こう聞くと、なんだか自分達もちゃんと進化してここまで来たんだなということがわかりますよね。
私たちも、もともとは森の中で生活していたただの猿だったのです。
というわけで、もしかすると遠い未来では、今は人間より知能が低い生物も、今の人間並みの知能を身に着けている可能性がありますが、
では、現時点で、そのように高い知能を持っている頭の良い動物にはどのようなものがいるのでしょうか?
今回は、驚くべき知能を持つ頭の良い動物を、ランキング形式でベスト8まで発表します。
第8位:蟻
頭の良い動物ランキング、昆虫界からのランクインは、私たちが普段簡単に見つけることができる
「蟻」です
実際、この生き物はその他すべての動物の中でもかなり上位に食い込めるほどの知能を持っており、あれほど小さな体しかもっていないにも関わらず、その他の動物顔負けの非常に高度な社会性を身に着けています。
例えば、女王アリは巣の中で10年から20年にわたって卵を産み続けますが、そのほかの働きアリは女王アリを守り、複雑な巣を作り、エサを運び、子育てまでしますよね?
また、蟻は自分たちにとって役に立つ生き物には危害を加えず、共生することも知られています。例えば、アブラムシの中には甘い蜜を出す種のものがおり、それは蟻のエサになるため、蟻はそのアブラムシを外敵から守り、その代わりに蜜をもらうのです。
しかも、蟻はその共生相手が誰なのかを、
口と口を通じて仲間に教えることまでわかってきています。
人間のような複雑な感情を持っているわけではないものの、あれほどの小ささでありながらその知能はかなり高いのです。
ちなみに、蟻と同じように社会性を築き、巣を作る生物として「シロアリ」という生物もいますが、
一般的な蟻はハチ目に属する特にスズメバチの仲間であるのに対し、シロアリはゴキブリ目に属する社会性を身に着けたゴキブリの仲間なので、「アリ」と「シロアリ」はまったく違う生物なのです。
第7位:タコ
「タコ」はおよそ人類とはかけ離れた生物で、独自の進化を遂げてきた貝に近い仲間ですが、その知能は非常に高いことが知られています。
例えば、タコはビンの中に入れ、蓋をして閉じ込めても、吸盤を使って内側から蓋をくるくると回し、いとも簡単に脱出してしまいます。
さらに、得た貝殻などを集め、道具として利用する習性があるほか、
なんといってもすごいのはその
「擬態能力」です。
変幻自在に色を変え、岩に擬態するのは当たり前、
さらに、エイやロブスター、カレイ、ウツボなど、
見たことがある生物になら何にでも擬態します。
第6位:ネズミ
私たち人間と同じ哺乳類であり、人目に付かない場所で生きている
「ネズミ」
私たちの祖先はネズミのようなげっ歯類の動物であったと考えられていますが、このネズミは、実は非常に頭が良いことでも知られています。
ネズミは普段家の屋根裏などに潜み、食べ物を盗んだり、歯を削るために配線などをかじってしまうことがあるため、害のある生物として扱われますが、
集団で生活し、社会性をもつ哺乳類として知られており、食べ物を探す際にも仲間同士で協力プレーをします。
まず、食事をとりに行くときにも、ネズミは基本的にまずは
1匹が偵察役としてその場所までたどり着きます。
すると、そこから仲間のネズミにしか聞こえない周波数帯の声を発し、それを聞きつけると、仲間も全く同じルートを通って餌へと向かっていくのです。
また、このネズミは最短ルートを見つけたり、迷路を歩かせても数回で答えを覚えてしまうことでも知られています。また、危険を察知する能力に優れており、同じ罠にも2回かかることはありません。その賢さは、普段なかなか見かけることが無いことからもわかります。
ただ、例えば大型のネズミ、ドブネズミやクマネズミは
寄生虫を持っていることが知られているため、もし見かけても絶対に触ることはしてはいけません。
また、そのネズミの糞を食べたカタツムリやナメクジが寄生虫の中間宿主になることもわかっていますので、実はカタツムリやナメクジも非常に危険なので、なるべく触らないようにしましょう。
詳しくはこちら!⇒野菜にナメクジは超危険!脳を蝕む寄生虫「広東住血線虫」とは?
第5位:カラス
鳥類からのランクインですが、頭の良い動物ランキング第5位は
「カラス」です。
カラスはしばしばゴミをあさったりもするので迷惑な動物として扱われることがありますが、この動物は鳥類の中でも非常に知能が高く、人の顔を1人1人認識し、区別する能力があることがわかっています。
そして、その自分が危険だと感じた人間の情報を、仲間に伝えることさえできるのです。
また、中には木の棒を使い、穴の中に隠れた虫を掻き出すなど、道具を器用に使うことができるものもいます。
そして、極めつけは、
その優れた「記憶能力」です。
なんと、カラスは自らが発見した餌を見つからないように特定の場所に隠すのですが、
中には100箇所以上にも隠すものもおり、
その場所を詳細に記憶しています。
さらに、そのエサの賞味期限さえも計算して食べに行くというから驚きです。
また、鳥は頭が良いと聞くと、おそらく誰もが人の言葉を覚えるインコなどを想像すると思うのですが、実はカラスも飼育すれば人の言葉を真似することがわかっています。
第4位:犬
私たち人間にとって非常に身近な動物である
「犬」
そんな犬は皆さんご存知の通り非常に頭の良い動物です。
記憶力もさることながら、犬のすごいところは、
飼い主の感情を理解して動くということ。
人間に従順な修正があることから、ペットとしても人気ですよね。
そんな犬は、訓練次第で数百個もの言葉の意味の違いを理解することができます。特に、牧羊犬としても有名な「ボーダーコリー」という犬種は、その知能指数が非常に高いことが知られています。上の犬の画像がまさにボーダーコリーです。
また、犬は捜査の現場でも警察犬として活躍しますし、盲導犬のように目の見えない人を助ける犬もいますよね。これらは、その高い知能が無ければ到底できることではありません。
第3位:ゾウ
日本では普段あまり見かけることはありませんが、一部の国や地域では普段の生活においても力仕事などを任されることがあるほど重要な存在である
「ゾウ」
このゾウは非常に知能が高いことはおそらく皆さんもご存知でしょう。過去には、絵を描くゾウがいるということがニュースになったこともありますよね。
また、ゾウはその記憶力も高く、20年以上あっていなかった親子でも、相手が誰なのかをすぐに理解できたという話も残っています。
また、人の感情も理解しているようなそぶりも見せるほか、このゾウは、
鏡に映った自分の姿を、自分であると理解できるということもわかっています。
これを、「鏡像認知」というのですが、実は犬は基本的にこれができません。
また、ゾウは非常に仲間思いの性格で、仲間のゾウだけではなく、自分を大切にしてくれる人も守ろうとする習性があります。
例えば、以下の動画はゾウの飼育員が、見知らぬ男性に襲われているときに、ゾウがその飼育員を守ろうと駆け寄る姿をとらえた映像です。これは実験動画ですが、ゾウが非常に仲間思いの動物であるということがわかります。
第2位:クジラ類
クジラ類は、もともと陸に生息していた4足歩行の哺乳類が、その生活圏を海に移し、独自の進化を遂げた生物です。
また、イルカはそのクジラ類の中で小型種のものをそう呼ぶので、ここではクジラとイルカをセットで、クジラ類と呼ぶことにします。また、肉食として知られるシャチの仲間もこのクジラ類の動物です。
このクジラ類の知能の高さは、特にイルカは水族館のショーを見れば明らかですよね。人の言葉を覚えることが出来、さらに仲間同士独特な声でやり取りをします。
しかもイルカは、
仲間をそれぞれの名前で呼んでいる
という衝撃の研究結果が過去に報告されています。
そのイルカが出せる音を工夫し、1人1人名前のようなものを付け、それで仲間を区別しているというのです。もしこれが本当なら、人間以外ではイルカ類だけにみられるものということになります。
また、シロナガスクジラなどの大型のクジラもその声を使って仲間とやり取りをしますが、
100キロメートル以上離れた仲間とさえその声でやり取りをすることができる
ということは有名な話ですよね。しかも、クジラもやはり仲間を守ろうとする習性を持ちます。
また、海のハンターとも言われるクジラの仲間、シャチは、実は海の中の食物連鎖の中で頂点に立つ存在です。
海のハンターと聞くと、ホオジロザメを想像する方も少なくないと思いますが、実はホオジロザメもしばしばシャチのエサになることが知られています。
その理由は、そもそもシャチの体重は、最大で5000キロにもなることがありますが、ホオジロザメはその5分の1の1000キロ程度にまでしかなりません。また、ホオジロザメは大きくても5m程度ですが、シャチは7m近くにまで成長するものもいます。この時点で、シャチはかなり有利な存在です。
しかも、シャチはその知能指数が高く、
仲間で協力して狩りをするため、
あの大きなサメでさえ、シャチの餌食になってしまうのです。
第1位:類人猿
第1位は、やはり我々人間に似た特徴を持つ霊長類の仲間
「類人猿」です。
我々人間の祖先は、今からおよそ600万年前に猿から分離したと考えられており、
その中で火の存在を理解し、それを調理などに応用したことが、豊富な栄養素の摂取につながり、脳の飛躍的な進化の一因になったと考えられています。
ただ、類人猿の仲間の中にも、一般的な猿、ゴリラ、オランウータンなど様々なものがいますが、
その中で、特に高い知能を示すといわれているのが、チンパンジーの仲間である、
「ボノボ」という動物です。
このボノボは現時点で最も人間に近い動物であるとの説もあり、2足歩行が得意で、その知能レベルもこれまで紹介した動物に比べるとやはりかなり高いです。
例えば、そのボノボの知能がいかに優れているかというのは、以下の動画を見ればよくわかります。人間の言葉を理解し、ライターを使って火をつけることさえできるのです。
どうですか?本当に頭が良いですよね(^-^;
現時点でこれだけ頭が良いのであれば、もしもボノボがこのまま進化していけば、今から数万年後には現生人類に近い知能を身に着けているかもしれないと本気で思ってしまいます。
また、人間は火を使うことを覚えた結果脳が発達したといいましたが、もしも野生のボノボもその火の使い方を覚えたとしたら、まさにそういった飛躍的な進化が起こるかもしれません。
まとめ
以上、頭の良い動物をランキング形式でご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
忘れてはいけないことは、生物はまだまだ進化の途中であり、我々が生きていられる時間は、
今までの生物の歴史で考えてみればほんの一瞬の出来事にしか過ぎないということ。
この地球は138億年前に誕生し、今から38億年前に初めて生物が海の中で誕生したと考えられていますが、その後進化を遂げた生物のうち、その内の多くが、
今から約6600万年前に起きた直径10Kmもの巨大隕石の直撃によって絶滅してしまいました。
この衝撃はすさまじいもので、半径1000Km以内の生物は即死し、地球上の80%の生物は死んだと考えられています。これによって、当時生態系の頂点に君臨していた恐竜たちもその多くが絶滅し、別の進化の道を模索する必要があることを本能的に理解したのです。
それから、約6600万年後の世界で、今我々人間は最も頭の良い動物として実質地球上を支配しているわけですが、今後またそれがどう変化していくのかということは誰にもわかりません。
知能を発達させた猿が地上を支配し始める「猿の惑星」という映画がありますが、もしかするとそう遠くない未来にそういうことが起こらないとも限りませんよね。
今後、果たして生物たちはどのような進化を遂げていくことになるのでしょうか。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!(^^)
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