今よりも何億年も昔、地球上には今とは比べ物にならないほど大きな生物たちが生息していたことは皆さんもご存知でしょう。
そんな中でも特に有名なのが、
古代のトンボ「メガネウラ」ですね。
このトンボは、羽を広げるとそのサイズは70cmもあったとされ、現在まで生き残っているトンボに比べると、実に7倍以上のサイズになります。
今もしそんなものが飛んでいたら…と思うと怖いですが、
昆虫好きには残念なことかもしれませんが、
このメガネウラはすでに絶滅してしまっています。
では、なぜ彼らは絶滅してしまったのでしょうか?
古代のトンボ「メガネウラ」彼らが絶滅してしまった理由とは?
図鑑のメガネウラ(Meganeura )のイラスト差し替え。https://t.co/PdZp62q2D9
古生代石炭紀に生息した翼幅70cmの巨大なトンボ。 pic.twitter.com/GqtBIt3hXU— 川崎悟司 (@satoshikawasaki) 2017年7月13日
古代のトンボ「メガネウラ」に限らず、今から約2億9000万年前の地球には、
50cmのゴキブリや、
3mにもなるムカデのような生物などが存在し、
とにかく陸生生物はみな巨大でした。
そんな生物たちの巨大化の理由として挙げられているのが
「酸素濃度」の上昇です。
実は、現代の地球では、空気中の酸素濃度は全体の21%程度ですが、
この巨大な生物たちが存在していた時代は、酸素濃度が今よりも豊富で、
全体の35%程度にまで達したであろうと考えられています。
また、この時代はもともと大気の量が今よりも多かったという説もあります。
そのため、大きくなっても十分に全身にエネルギーを供給できたことから、生物は巨大化を遂げたというのです。
しかしながら、彼らはその後間もなくして絶滅を迎えることになります。
その理由は、
数百万年にわたって続くことになる氷河期です。
彼ら巨大な昆虫たちが存在していた時代は、約3億5000万年前から、2億9000万年前まで続いていた
「石炭紀」
という時代です。この末期にメガネウラは登場し、一時天空を支配しましたが、その気候の変化に耐え切れずに絶滅を迎えました。
また、この時代は昆虫だけではなく、植物も広く繁栄していた時代でした。そのため、この時代の植物が現在石炭として出土することから、石炭紀と呼ばれています。
有名な古代生物「三葉虫」の最後
メガネウラよりもおそらくもっと有名な古代の生物が
「三葉虫」でしょう。
この三葉虫は、今から約5億年も前の
「カンブリア紀」という時代に登場し、
メガネウラ達巨大な昆虫の大半が絶滅することになった氷河期にも耐え、約2億5000万年前の
「ペルム紀」まで生き残っていました。
ここで補足しますと、カンブリア紀からペルム紀までの間は
カンブリア紀
⇒オルドビス紀
⇒シルル紀
⇒デボン紀
⇒石炭紀
⇒ペルム紀
となっています。
このうち、メガネウラがいたのは石炭紀の末期だけなので、いかに三葉虫が生存能力の高い生物であったかというのがわかりますね。
しかしながら、ペルム紀の最後には、これまでにいくつか数えられている中でも最大となる
大量絶滅が起こることになりました。
これは、色々な環境変化が絡んだものであると考えられていますが、最大の理由となったのは、同時多発的に起こった
大規模な火山活動
であると考えられています。
この時噴出したガスが空気中の酸素と結びつき、地球は一時危機的な酸欠状態になったと考えられているのです。
そしてこの出来事によって、
海陸合わせ地球上の生物の90%以上が死に絶えたとされ、
これによって三葉虫もその歴史にとどめを刺されることになってしまいました。
恐竜の出現
実は、恐竜が出現したのはメガネウラのような巨大な昆虫が栄えた時代よりももっと後で、
ペルム紀が終わり、
「三畳紀」という時代に入って初めて恐竜が出現し始めました。
そして、この恐竜たちは、
現代の鳥類に見られる
「気嚢(きのう)」
という器官を使った呼吸を行っていたことが、最近になってわかってきています。
この気嚢式呼吸は、我々人間が行うような横隔膜式呼吸よりもずっと効率よく呼吸が行うことができるシステムであり、ペルム紀末期から続く低酸素環境の地球上で恐竜が繁栄できたのは、この呼吸法がその理由の1つだったといわれています。
そして、横隔膜システムを既に獲得していた我々の祖先は、その低酸素に耐え切れずに大型のものは絶滅してしまいました。しかし、小型のものは生き残ることに成功しましたが、それらは巨大な恐竜達から隠れるようにしてくらしていたと考えられています。
しかしそれが功を奏し、今から約6600万年前に起こった
直径10Kmの巨大隕石の襲来による大量絶滅にも、
私たちの祖先は耐え抜くことができたのです。
ただ、恐竜たちも全てがこれで絶滅したわけではなく、小型の肉食恐竜の一部は生き残り、それが気嚢式呼吸を保ったまま今日の鳥類に進化していったと考えられています。
これは、気嚢式呼吸だけではなく、中国の地層などから、腕に羽をはやした恐竜の化石が見つかったことからもほぼ間違いのないこととして考えられるようになってきています。
非常に興味深い生物の進化の歴史、
これから私たちは今後どのような進化を遂げていくことになるのでしょうか(^^)
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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